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遅咲きの花~60代から始める出会い系~

   

遅咲きの花~60代から始める出会い系~

私の半生は実に退屈だった。退屈と言っては聞えが悪いので「平凡」と言いなおそう。
三流大学を卒業後、一般企業に就職。26歳の時、同じ会社内で知り合った事務職の女性、特別美人というわけではない彼女と結婚した。
29歳の時に長男誕生。31歳の時に長女誕生。その息子たちももう、31歳、29歳となり、家をでている。
一昨年、5つ年上の妻には先立たれた。
そして、今年、私は40年弱務めた会社を定年退職した。

私はギャンブルもやらないし、酒も飲まない。タバコものまなければ女遊びもしない。

退職して一カ月。息子たちもそうそう訪れるわけでもないし、私は暇をもてあそぶつもりで、出会い系サイトに登録してみた。

こういったものはあまり得意ではないので、慣れるまでに多少時間はかかったが、それほど複雑ではないため、しばらく操作をしていると徐々に理解することができてきた。

まず、プロフィールという項目があり、いわば自分の情報を入力するのですが、見た目のタイプや性格のタイプはプルダウンといわれるリストからの選択方式なのですが、このタイプのそれぞれの名称がよくわからない。
「お兄さん系」「オラオラ系」・・・よくわからない。
私にぴったりの項目があるとしたら「還暦系」なわけだが、そんなものはもちろんない。

まあわからないなりにプロフィールを登録した。

すると早速メールが届いた。

「やっほーーーこんにちわ!
おじさん結構年齢が上なんだね!わたしそれくらいの年齢の人が大好きで。やさしくって包容力ですよねー!
写メとか載せないんですか?」

写メ・・携帯で撮る写真か・・。今まで撮ったことがない。

「すみません、お嬢さん。写メってどうやってとればよいのでしょうか?」

私から見たら少女とも言えるようなその女性に、写メの撮り方を指導してもらう。
ようやく撮ることができ、自分のプロフィールとしてそれを登録してみる。

「わーーー!おじさん渋くてかっこいいじゃないですかーー!会いませんか!?会ってもらえませんか!?」

最近の女性は非常に積極的だ。
私は言われるがまま会う約束をし、そして会った。

もう一度言う。最近の女性は非常に積極的だ。
二人で食事をとったあと、私はそのまま手を引かれ、夜の繁華街を抜け、ラブホテルというところへ連れて行かれた。
私は生れて初めて・・・妻以外の女性と枕をともにすることになった。

その後、その出会い系サイトを通じて色々な女性と経験することができた。今では退職した私の唯一の楽しみとなっている。

 - 60代, 出会い系初心者